法話

2012.10.02 愛しい者

夫は妻に「自分自身よりもさらに愛おしいものが、なにかあるだろうか?」と尋ねた。 
彼女はしばらく考えていたが、微笑んで答えた。「私には、この広い世間にも自分より愛おしいと思うものは、まったくございません。あなたは どうお考えですか?」
彼も同意したが、しかし この考えはどこか間違ってないかと不安に思われた。 そこで、お釈迦様にお聞きしすることにしました。
 お釈迦様は、「人は、他人への思いやりをもっているが、それでも自分自身が一番愛しい」 「それと同じく、他の人々も自分自身が一番愛しい。だから自分を愛しむものは、他をも害してはならぬ!」と答えられました。
 これは、自分が相手の立場に立つという知恵をもつことが、必要だと教えています。
命や人間関係の諸々の問題を考えるとき、「誰でも、人間自分が一番可愛い!」を前提とすると違った見方が可能ではないでしょうか。

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